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□第65回繊維応用技術研究会
開催日時 : 平成30年7月20日(金)
10:00~17:30
会 場: ホテルアウィーナ大阪 3F信貴の間
プログラム
① 10:30~11:35
株式会社コスモステクニカルセンター 田中 佳祐
演題:界面活性剤の基礎と香粧品との関わり
概要:一つの分子内に親水基と疎水基という、相反する性質の構造を有する物質を界面活性剤と呼ぶ。界面活性剤は我々が生活を営む上で欠かせない物質であり、様々な場面で使用されている。そこで、本講演ではその界面活性剤の分類や基礎的な物性について解説し、それらの香粧品分野での応用、最近の研究トピックスについて簡単に紹介する。
② 12:45~13:50 松本技術士事務所 松本三男
演題:最近注目される衣料用機能素材とその技術について
概要:衣料用機能素材は、年々新しい機能が開発されると共に、従来の機能も向上が図られている。したがって、これらの製品を適正に扱うには、それぞれの技術内容を良く知る必要がある。しかしながら、これらの技術は、原料特性・繊維形態・繊維集合体構造・布帛構造・仕上加工など多岐にわたる技術の工夫によって創出され、詳細技術の入手も困難など、十分な把握は難しい。ここでは、代表的な例を挙げ、その技術内容を考察する。
③ 13:50~14:55
株式会社アデランス 伊藤憲男
演題:毛髪までもオーダーメイドするウイッグのテクノロジー
概要:我々は脱毛の悩みを解消する手段としてウイッグの有用性に着目してきた。しかし、使用者の満足を得るためには、高品質であり自然であることが要求される。我々は長年の取り組みの中で、独自の人工毛髪を開発した。このことにより、より自然で取り扱いが容易なウイッグを提供することができている。この人工毛は求めに応じて色や太さなども選ぶことができる。このセッションでは毛髪までもオーダーメイドする独自技術を、市場性とともに紹介する。
④ 15:15~16:20 東京工業大学 林智広
演題:抗生体分子吸着・抗細胞接着性を発現する界面分子プロセスの解析
概要:コンタクトレンズ、バイオセンサー、人工血管、船舶コーティングなど様々な分野で抗付着性を持つ表面が求められている。本発表では、最も単純なモデル有機物表面である自己組織化単分子膜の抗付着性発現のメカニズムをプローブ顕微鏡、表面選択的な赤外分光法を用いて解析した結果について議論する。また、接着した細胞の応答を決める細胞足場タンパク質の役割、データ科学的手法を用いた材料設計の可能性に関しても発表する。
⑤ 16:20~17:25 椙山女学園大学 上甲恭平
演題:分析シリーズ:ケラチン繊維の光学(明視野、偏光)顕微鏡による事象解析
概要:本研究会では、ケラチン繊維の分析機器による解析例について数回にわたって講演を行ってきた。今回は、その一つとして小学校時代より慣れ親しんだ光学(明視野、偏光)顕微鏡を取り上げ、ケラチン繊維について観察・解析されてきた代表的な事象、例えば示差染色、複屈折、配向性等について、演者らが行った実験結果を中心に紹介する。